研究課題/領域番号 |
07671809
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
東 政弘 琉球大学, 医学部, 助教授 (60101474)
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研究分担者 |
諸見里 秀彦 琉球大学, 医学部・附属病院, 助手 (90244334)
前濱 俊之 琉球大学, 医学部, 助手 (50157153)
武居 洋 琉球大学, 医学部, 教授 (70039501)
金澤 浩二 琉球大学, 医学部, 教授 (50092680)
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キーワード | HPV感染 / 子宮頚部異形成 |
研究概要 |
1)沖縄県におけるHPV感染の状況を把握するために、子宮癌検診時の細胞検体についてHPVのL1遺伝子領域の増殖プライマーを用いたPCR法で検討した。20才〜29才のHPV感染率を求めるために、琉球大学産婦人科外来を受診した妊婦や不妊症を主とした患者について検討した。ただし、子宮頚癌や子宮頚部異形成や異常細胞診の精査などで受診した症例は除いた。集団検診の検体でのHPVの陽性率は2,838例中289例、10.2%であった。 2)年齢別のHPV陽性率は、20〜29才は175例中35例、20.8%で30才代8.8%、40才代9.7%、50才代10.5%、60才代10.9%、70才以降10.1%であった。20才代の陽性率は高率であった。 3)HPV型は30才代以降の289例について検討した結果は以下のとおりである。20才代の35例は検討中である。16型10例、18型2例、31型6例、33型11例、35型15例、58型7例、その他の型238例であった。 4)子宮頚部異形成および子宮頚癌のHPV陽性率は、軽度異形成20例では70.0%、中等度異形成12例では75.0%、高度異形成11例では100%、扁平上皮癌146例では89.0%であった。 5)1993年1月〜1997年2月に琉球大学にて手術した子宮頚癌96例について原発巣と摘出リンパ節のHPVについて検討した。原発巣でのHPV DNA検出率は扁平上皮癌69例中58例、84.0%、腺扁平上皮癌7例中7例100%、腺癌19例中10例52.6%、未分化癌1例中1例100%であった。原発巣がHPV DNA陽性の例について摘出リンパ節403個のHPV DNAの検出と転移の有無を検討すると、HPV陽性29例中23例は転移があり、6例は転位がなかった。HPV陰性の374例では全例転移陰性であった。原発巣のHPV DNA陰性の例では129例のリンパ節いずれもHPV陰性であった。このうち10例は転移陽性であった。 子宮頚部異形成の症例についてHPV DNAのfollow up studyを継続中である。
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