研究概要 |
(1)4週令のBALB/CA系雄ヌードマウスに卵巣癌培養細胞株(OVKATA)移植マウスより採取した腫瘍片を左右背部に移植し、対照群5匹、GnGHアナログ群5匹に分け腫瘍増殖抑制効果を検討した。GnRHアナログ(酢酸ブセレリン)は一匹あたり0.2mg連日皮下投与し、対照群には生理的食塩水を投与した。両群の腫瘍移植マウスの生存日数を観察すると、対照群は最長28日間、最短4日間であるのに対してGnRHアナログ群では最長28日間、最短14日間であった。腫瘍移植後21日目における腫瘍体積増加率の平均は対照群で90%、、GnRHアナログ群で28%とGnRHアナログ投与により腫瘍増殖抑制効果のあることが示唆された。途中死亡例が多く統計処理が不十分なため現在対象数を増やして追加実験をおこなっている。また下垂体を介しての抗腫瘍効果を排除するため下垂体摘除マウスを用いた同種実験を予定している。 (2)5種類の卵巣癌培養細胞(OVSHO,OVSAYO,OVTOKO,OVMANE,OVISE)を用いてMMTアッセイを行い、GnRHアナログ投与による異なった卵巣癌細胞組織間における増殖抑制効果を比較検討した。 GnRHアナログを10^<-9>M、10^<-7>M、10^<-5>Mの濃度で添加し、培養4日目に対照群と比較すると、OVSAYO,OVTOKO,OVISEの3種類の細胞系においていずれの濃度においてもGnRHアナログによる細胞増殖抑制の傾向がみられた。しかし濃度依存性に増殖抑制が見られないため実験を継続中である。
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