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1996 年度 実績報告書

内膜増殖症癌化へのE_1スルファターゼの役割解明とスルファターゼ阻害剤開発の試み

研究課題

研究課題/領域番号 07671813
研究機関京都府立医科大学

研究代表者

山本 宝  京都府立医科大学, 医学部, 助教授 (60158285)

キーワードエストロンスルファターゼ / 子宮内膜増殖症 / 子宮内膜癌 / 酢酸メドロキシプロゲステロン / ダナゾール / 合成ホルモン剤 / 遺伝子発現 / スルファターゼ阻害
研究概要

エストロゲンは子宮内膜癌の発生・発育に密接に関与している.エストロンスルファターゼ(E_1SF)はアロマターゼ(Arom)と並んで活性型エストロゲンの生成に寄与しているが,その活性は内膜中にはないが,内膜癌組織内ではAromに比べ非常に高く,オートクリーン,パラクリーンを介して細胞の増殖に好環境を与えていると思われる。そこで,今回,内膜癌の潜在的な前癌病変と位置付けられている内膜増殖症組織内のE_1SF活性を測定し,内膜癌の場合と比較検討した。また,2種類の内膜癌培養樹立株細胞(Ishikawa, HEC-59)を用いてE_1SF (STS) mRNAの発現に及ぼす各種合成ホルモン剤(MPA, DZ, TMA, NET, P)の阻害能について調べた。
その結果,内膜増殖症組織内のE_1SF活性は内膜癌に比べるとやゝ低いが,高い値を示した。したがって,E_1SFは内膜増殖症の段階より組織局所でのエストロゲン産生に寄与し,腫瘍の増殖を支持していることが明らかとなった。またIshikawa株細胞及びHEC-59株細胞のE_1SF活性(20nmol/h/mg蛋白及び560nmol/h/mg蛋白)は10^<-7>MのMPAないしDZの1時間接触で40〜60%阻害された。しかしE_1SF活性はE_1, NETやPを接触させてもほとんど阻害されなかった。一方,Ishikawa株細胞のSTSmRNAの発現はMPA (10^<-8>M),1時間接触により60%阻害された。HEC-59株細胞のSTSmRNAの発現は添加したMPA, DZの濃度依存性に阻害され,MPA (10^<-8>M),24時間接触後でも60%阻害されていた。したがって,高用量MPAは内膜増殖賞,内膜癌組織内のE_1SFの発現を有意に抑制し,抗腫瘍効果の一助となっていることが推察された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 山本 宝: "MCF-7ヒト乳癌概要細胞内Aromataseを介する細胞増殖に及ぼすTGF-αとIGF-Iの影響について" 日本分泌学会雑誌. 72. 473-479 (1996)

  • [文献書誌] Yamamoto Takara: "Urinary 8-hydroxy-2'-deoxyguanosine (8-OHdG) levels in women with or without gynecologic cancer" The Journal of Obstetrics and Gynecology Research. 22. 359-363 (1996)

  • [文献書誌] Yamamoto Takara: "The inhibitory effect of medroxyprogesterone acetate (MPA) on steroid sulfatase in human uterine endometrial cancer cells" Endocrine-Related Cancer. 3. 337-340 (1996)

  • [文献書誌] Tamura Takaya: "New Achievements in Research of Ovarian Function (Ares-Serono Symposia Publications)" Steroidogenesis. The dynamics of P-450arom and P-450_<17α> lyase expression in human polycystic ovary, 267-272 (1996)

  • [文献書誌] Yamamoto Takara: "In Vitro Biology of Sex Steroid Hormone Action (Churchill Livingstone)" Effects of growth factors and aromatase inhibitors on the growth of MCF-7 breast cancer cell line, 323-331 (1996)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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