研究概要 |
1)石川細胞を用いた実験では各感染細胞のc-myc,jun,fosの増幅の差をsouthern blot hybridazation法にて検討しているが新たな知見を得るまでには至っていない。 またtransfection株のtyrosine activityとM-CSF,c-fmsの発現量の検討は進行中である。M-CSF受容体のC末端の変異株であるc-fms809導入株やv-fms導入株の増殖能はマクロファージや線維芽細胞の成績とは異なっており、癌細胞では特異なシグナル経路の存在が示唆される。 TNFやc-AMP elevating agentsはM-CSF産生を促進し、またbc12,fas抗体染色結果よりapoptosisの結果細胞増殖抑制をきたしている可能性が示唆され、新たな知見が得られた。今後これら作用機序、apoptosis関連物質の関与に関して研究する必要性が生じている 2)卵巣癌株(PEO1,PEO4,PEO14)は臨床成績と同様多量のM-CSFを産生していることが判明したが、悪性度や転移能とは相関せず、必ずしも臨床的予後とは関係しないことも考えられる。またサイトカインに対する反応性も細胞により異なり、M-CSFやその受容体量とは相関しない傾向にある。今後サイトカインの細胞内シグナル経路の研究が必要と考えられた。
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