本年度は卵巣における成長ホルモンリセプターのmRNA発現を観察した。ヒトの場合、成長ホルモンリセプターの細胞外ドメインの分離により、可溶性の成長ホルモン結合蛋白が生じ、成長ホルモン作用をmodulateすると考えられている。まずはじめに患者(5名)の同意の上、手術時に採取した卵巣組織より総RNAを抽出した。RNA(5μg)をReverge TranscriptionしcDNAを作成、PCR反応に供した。プライマーの選択には、成長ホルモンリセプターの細胞内ドメインを増幅、578bp断片DNAを得るべく考案した。これにより、全例において卵巣内における成長ホルモンリセプターのmRNA発現が検出された。続いて、体外受精患者の採卵時に得られた顆粒膜細胞における成長ホルモンリセプターのmRNA発現を観察した。またhouse keeping geueとしてGAPDHを用いた。この結果、全例にmRNA発現を観察しえたが、卵胞液中、血清中の成長ホルモン結合蛋白との相関算の解析には、症例数の増加(現在7名)が必要である。
|