研究概要 |
卵巣癌の進行におけるGonadotropin Releasing Hormone(GNRH)の意義を検討した。すなわち培養細胞とくに臨床的に化学療法に抵抗するclear cell carcinomaの樹立をおこない(3株:OVHS-1,2,3)これらにおけるGNRH受容体の発現、GNRH analoge投与による増殖の変化、さらにはGNRHとCis-platinumの併用効果についてin vitroで検討している。現在までに得られた結果では、(1)これらの卵巣癌株ではいずれもGNRH受容体のmRNAが発現している(mRNA)。(2)培養系への添加では75μg/well以上の濃度で有意な増殖抑制を認めた。(3)Cis-platinumとの併用ではID50の約10分の1の低下をみとめた。以上の結果より、clear cell carcinomaにおいてはGNRH analogeを投与することでCis-platinumの抗腫瘍効果を増強させることが可能であると考えられた。
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