研究課題/領域番号 |
07671840
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
青柳 優 山形大学, 医学部, 教授 (40107181)
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研究分担者 |
横田 雅司 山形大学, 医学部, 講師 (80166884)
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キーワード | amplitude modulation following respense / phase coherence / 他覚的聴力検査 / near field potential / 下丘 / 蝸牛神経核 / frequency following response |
研究概要 |
1.8HzAMFRについて臨床的研究 高音急墜型・低音障害型・谷型・山型のオ-ジオグラムを有する難聴成人、及び難聴幼児125名を対象として、80HzAMFRの周波数特異性と信頼性について検討した。その結果、80HzAMFRの反応閾値パターンはオ-ジオグラムによく近似し、ことに難聴幼児では純音聴力レベルと80HzAMFRの反応閾値の相関の高い(r=0.863)ことが確認された。即ち、どのような型のオ-ジオグラムの症例でも、80HzAMFR閾値のみによって、かなり正確にオ-ジオグラムを描くことが出来ることが確認された。又、正常成人、及び正常幼児を対象として80HzAMFRの睡眠深度による反応安定性の変化について検討したが、睡眠深度が深い程安定した検査結果が得られた。更に、ブロックダイヤグラム形式汎用プログラミングソフトLabvIEWを用いて、1度に4周波数の聴力を測定するためのmultiple stimulation techniqueに用いる刺激音を作成した。これの臨床応用により検査時間の大幅な短縮が見込まれ、現在、これによる検討を開始しているところである。 2.AMFRの起源についての実験的研究 ネコを用いstereotaxicに針電極を蝸牛神経核と下丘に刺入し、near-field potentialを記録し、頭頂部より誘導されるAMFRと比較した。蝸牛神経核・下丘いずてでも、正弦波的振幅変調音に類似の電位、即ち周波数追随反応(FFR)様の波形が記録される部位と変調周波数様の波形、即ちAMFR類似の電位が記録される部位があったが、AMFR類似の電位は蝸牛神経核腹側核後方付近で2度の位相反転が認められ、ここがAMFRの起源の1つであると考えられた。下丘においても同様に検討したが、下丘背側では正弦波的振幅変調音に類似の電位が、腹側ではAMFR類似の電位が記録され、蝸牛神経核と同様にFFRとAMFRの起源部位が異なることが示唆され、蝸牛神経・下丘核ともにAMFRの起源となっていることが示唆された。
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