研究課題/領域番号 |
07671841
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
沼田 勉 千葉大学, 医学部, 講師 (60189355)
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研究分担者 |
日野 剛 千葉大学, 医学部, 講師 (80218734)
今野 昭義 千葉大学, 医学部, 教授 (70009497)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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キーワード | スギ花粉症 / IgE抗体陽性率 / スギ花粉症発症率 / 素因 / 通年性鼻アレルギー / 発症修飾因子 / 自然寛 / 非特異的鼻粘膜過敏性 |
研究概要 |
1.スギ花粉症の発症に与える血清抗体値、年性、素因、通年性鼻アレルギー合併の影響。11歳までに45.9%の学童が血清スギ花粉抗体が陽性であった。陽性率は20〜40歳代には66%に達し、以降は加齢とともに急激に低下した。抗体陽性春における発症率は11〜15歳では41.2%であるが、20〜40歳では59.5%に達し、発症率は抗体値が増すにつれて上昇した。しかしCAP RASTスコア6を示す春においても発症率は11〜15歳学童では62.5%にとどまり、一方20歳以上の成人では92.9%に達していた。若年春におけるスギ花粉症の発症には年齢も大きく関与する。高度のスギ花粉曝露により、ひとたびスギ花粉症状を発症した学童は翌年以降、抗原量が著明に減少しても、さらに抗体量が減少または不変であってもスギ花粉飛散期にはスギ花粉症症状が出現した。抗体陽性春のスギ花粉症の発症には3親等以内の家族におけるスギ花粉症の有無が強く関与し、また通年性鼻アレルギー(ダニ)の合併はスギ花粉症の発症を有意に亢進させた。通年性鼻アレルギーのためにすでに亢進している非特異的鼻粘膜過敏症がスギ花粉症の発症に関与した可能性が考えられる。 2.スギ花粉症の自然寛解 15〜20年間追跡した大学病院アレルギー外来登録奨励における重スギ花粉症の自然寛解は症状消失0%、mc著明改善7.4%、改善34.4%にとどまった。一方、住民検診におけるスギ花粉症の自然寛解率は8.9%であり、自然寛解は特に高年齢発症者およびスギ花粉症の素因の無いものにみられた。大学病院登録奨励と住民検診対象者におけるスギ花粉症の自然寛解率の違いは重傷度の違いによるものと考えられる。
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