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1997 年度 実績報告書

鼻茸形成と細胞外マトリックス分解機構

研究課題

研究課題/領域番号 07671851
研究機関三重大学

研究代表者

原田 輝彦  三重大学, 医学部・附属病院, 講師 (20183569)

研究分担者 間島 雄一  三重大学, 医学部・附属病院, 講師 (60024791)
坂倉 康夫  三重大学, 医学部, 教授 (40024723)
キーワード鼻茸 / 鼻副鼻腔炎 / 鼻アレルギー / 細胞外マトリックス / マトリックスメタロプロテアーゼ
研究概要

本研究の目的は、慢性副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎に合併する鼻茸の発生機構の解明にある。その一因として、鼻副鼻腔粘膜の間質を構成する細胞外マトリックスの分解能の亢進などが想定される。そこで鼻茸や鼻副鼻腔粘膜における各種細胞外マトリックスおよび細胞外マトリックス分解酵素であるMatrix metalloproteinase(MMP)の発現を免疫組織学的に検討した。
平成7年度はヒト鼻茸およびその発生母地における各種細胞外マトリックスの局在を検討しコラーゲンI型、III型の鼻茸組織中での増加やテネイシンの発現増強を認め、鼻茸形成過程における細胞外マトリックスの動的変化があることが示唆された。
平成8年度は細胞外マトリックス分解酵素であるMMP-1、MMP-2、MMP-3、MMP-9およびそのインヒビターであるTissue inhibitor of metalloproteinase-1(TIMP-1)、TIMP-2の発現を検討した。その結果、正常鼻副鼻腔粘膜ではいずれのMMPおよびTIMPとも発現を認めなかったのに対し、鼻茸周囲の粘膜にはMMP-1、MMP-2、MMP-9の発現を認め、TIMP-1およびTIMP-2も鼻茸では発現を認めた。以上の結果より、MMP-2やMMP-9による粘膜上皮や血管の基底膜の損傷ならびにMMP-1などによる間質のコラーゲンの断裂により、間質内圧に抗しきれなくなった基底膜と上皮細胞群の突出が鼻茸形成の初期段階であると考えられた。
平成9年度は細胞外マトリックスとMMPおよびTIMPがそれぞれどのような相互作用を営んでいるかを調べる目的で、共焦点レーザースキャン顕微鏡を用いて両者を同一組織上で、同時に異なった色素で染色し検討中である。この方法で三次元的変化についても検討することが可能であり、鼻茸発生機構の解明に進展がみられるものと確信している。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] 野々山勉、 他: "慢性副鼻腔炎におけるサイトカインの免疫組織学的検討" 免疫アレルギー. 14. 180-181 (1996)

  • [文献書誌] 原田輝彦、 他: "鼻茸形成における細胞外マトリックス分解機構の検討" 免疫アレルギー. 15. 40-41 (1997)

  • [文献書誌] Guo Y, et al.: "Effects of functional endoscopic sinus surgery on maxillary sinus mucosa" Arch Otolaryngol Head Neck Surg. 123. 1097-1100 (1997)

  • [文献書誌] Majima Y, et al.: "Quantitative study of nasal secretory cells in normal subjects and patients with chronic sinusitis" Laryngoscope. 107. 1515-1518 (1997)

  • [文献書誌] Harada T, et al.: "The role of extracellular matrix and their degradation system in nasal polyp formation" Am J Rhinol. 11. 412-413 (1997)

  • [文献書誌] Shinogi J, et al.: "Quantitative cytology of nasal secretions with perennial allergic rhinitis in children:Comparison of non-infected and infected conditions" Laryngoscope. (in press).

  • [文献書誌] 原田輝彦(分担執筆): "細胞外マトリックス" 坂倉照好編、羊土社、東京, 172(12) (1995)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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