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1995 年度 実績報告書

各種耳疾患における側頭骨の発育状況の検討

研究課題

研究課題/領域番号 07671853
研究種目

一般研究(C)

研究機関滋賀医科大学

研究代表者

矢沢 代四郎  滋賀医科大学, 医学部, 助教授 (60127040)

キーワードメニエール病 / 耳硬化症 / 慢性中耳炎 / 側頭骨 / CT / 画像
研究概要

各種耳疾患における「側頭骨の発育」という観点から内耳ターゲットCTを用いて検討した.外側半規管が半円状に明確に撮影されている内耳ターゲットCT画像スライスを計測用に選択し,この画像をスキャナーにてコンピュータに取り込み,コンピュータ画面上で解析ソフトウエア(NIHimage1.24およびPhotoshop)にて内耳各部位の長さを計測した.計測したCT上の箇所は以下の4ケ所である.
(1)後半規管から後頭蓋窩錐体縁の最短距離(P‐P距離)(2)後半規管から外側半規管の最短距離(P‐L距離)(3)前庭の後端から後頭蓋窩錐体縁の最短距離(V‐P距離)(4)後半規管からS状静脈洞前端の最短距離(P‐S距離)対象疾患は現在までのところ,両側メニエール病13例,一側メニエール病38例,耳硬化症14例であるが,コントロール群として慢性中耳炎25例を含めた.今年度は主としてメニエール病について検討し,上記4ケ所の計測部位の中でも特に後半規管から後頭蓋窩錐体縁の最短距離(P‐P距離)と前庭の後端から後頭蓋窩錐体縁の最短距離(V‐P距離)が慢性中耳炎群に比較して有意に短いことが判明した.この傾向は特に両側メニエール病で顕著であり,メニエール病では内リンパ嚢や内リンパ管が位置する周辺の骨の発育障害があることがわかった.この要旨は第54回日本平衡神経科学会総会のプレシンポジウム「末梢性前庭障害の臨床と成因-特に両側障害例について-」の中で「側頭骨の形態からみた両側前庭障害」と題して講演した.現在はこの講演をもとに論文を作成中である.メニエール病の原因を遺伝性とか先天性であるという意見があるが,メニエール病で見られる後頭蓋窩側の骨の発育障害の原因として幼児期にウイルス等の感染が考えられ、後天性の疾患であると考察した.

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 矢沢代四郎、田中寛、片国英幸、北西剛、大脇成広、佐伯満男: "橋障害による水平眼球運動障害の2例" Equilebrium Res. 54. 496-504 (1995)

  • [文献書誌] 矢沢代四郎、田中寛、大脇成広、内田郁、井上秀蔵: "核性顔面神経麻痺の2症例" Fiacial Nerve Research. 15. 201-205 (1995)

  • [文献書誌] 板谷隆義、比野博也、矢沢代四郎 他: "頭位変換法での良性発作性頭位めまい症治療" 耳鼻臨床. 88. 857-862 (1995)

  • [文献書誌] 矢沢代四郎(分担): "(分担)末梢前庭疾患d・メニエール病 (書名)イラストめまいの検査" 診断と治療社、日本平衡神経科学会編, 167(104〜105) (1995)

  • [文献書誌] 矢沢代四郎(分担): "(分担)メニエール病の病因、病態、治療法 (書名)耳鼻咽喉科・頭頸部外科のクリニカルトレンド" 中山書店 編集、野村恭也、本庄巖、平出文久, (1996)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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