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1996 年度 実績報告書

声帯粘膜波状運動に関する実験的研究

研究課題

研究課題/領域番号 07671862
研究機関愛媛大学

研究代表者

湯本 英二  愛媛大学, 医学部・付属病院, 講師 (40116992)

研究分担者 佐藤 英光  愛媛大学, 医学部, 助手 (30187223)
森 敏裕  愛媛大学, 医学部, 助手 (50200374)
キーワード声帯振動 / 発声 / 粘膜波状運動 / 振動速度・振幅 / 気流量 / 声帯緊張 / 声の高さ
研究概要

イヌ摘出喉頭4個を用いて自然吹鳴、流量増加、声帯伸展の3条件下で吹鳴実験を行い、垂直方向と水平方向の声帯の振動を同時に測定し、声帯振動を三次元的に分析した。また、吹鳴音の高さと垂直方向の振動速度との関係を検討した。
垂直方向の振動速度と振幅は、気流量・声帯緊張が一定の時声帯膜様部中央が最大であった。声帯緊張を一定に保つと、気流量の増加とともに(150ml/s〜200ml/s)垂直方向の振動速度(515mm/s〜566mm/s)と振幅(471μm〜634μm)も大きくなった。吹鳴音の基本周波数はわずかに上昇した(128Hz〜133Hz)。声帯は伸展することによって緊張を増加させると垂直方向の振動速度と振幅は3個の喉頭で減少し、他の喉頭ではいったん大きくなった後、さらに伸展すると減少した。基本周波数は上昇した。
声門閉鎖期に垂直方向の振動速度は上向きで増加した。声門開大期の初期に上向きの振動速度が最大となり、以後減少した。声門開大期の中頃に垂直方向の振動速度が0となり、以後下向きとなった。垂直方向の変位が最大となるのは垂直方向の振動速度が0となる時点であった。声門最大開大時には垂直方向の振動速度はすでに下向きであった。声門閉小期の中頃に下向きの速度が最大となった。声門閉小期の後期に垂直方向の振動速度が下向きから上向きに変わったが、この時点ではまだ声門は完全には閉鎖していなかった。以後、上向きの速度が増加し、声門が完全に閉鎖して次の周期に入った。
声帯の伸展前後とも、気流量の増加によって垂直方向の振動速度が大きくなると基本周波数が上昇した。しかし、同一喉頭でも声帯の伸展前後で垂直方向の振動速度と基本周波数との間の関係は異なっており、同一喉頭で垂直方向の振動速度が同じ値であっても声帯緊張の異なるときは基本周波数も異なることが示された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 湯本英二: "Thyroarytenoid muscle activity infraglottic aspect of canine vocal fold vibration" Archiues of Otolaryngology Head and Neck Surgery. 121巻7号. 759-764 (1995)

  • [文献書誌] 湯本英二: "片側麻痺声帯に対するアテロコラーゲン注入術の長期成績" 喉頭. 7巻2号. 111-116 (1995)

  • [文献書誌] 兵頭政光: "片側反回神経麻痺による喉声に対する外科的治療-術後音声機能の評価から-" 耳.鼻と臨床. 42巻3号. 328-332 (1996)

  • [文献書誌] 湯本英二: "Vocal fold vibration viewed form the tracheal side in living human beings" Otolaryngology Head and Neck Surgery. 115巻4号. 329-334 (1996)

  • [文献書誌] 湯本英二: "Quantitative evaluation of effects of thyroary tenoid muscle activity upon pliability of vocal fold mucosa in an invivo conine model" Laryngo Scope. 107巻2号. 266-272 (1997)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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