EABR測定系については前年度に蝸牛内刺激方法の最適条件を確立したが、本年度は鼓室岬角電気刺激いついて電極間距離、刺激強y、電極径等々の条件を変え最適条件を求めるための実験を重ねたがいずれも不安定であり安定したEABR測定には至らなかった。この件については更に実験を継続している。 蝸牛内刺激によるEABRの測定については前年度は実験的EP依存性難聴を作成してEABRの変化の観察を行ったが、本年度はコルチ器障害難聴動物モデルをカナマイシン投与により作成し、EABRの変化を観察した。結果、動物間でEABR閾値と振幅にバラつきが大きく一定の傾向を見出すことができなかった。原因としてカナマイ聾動物のコルチ器とラセン神経節細胞の障害を全て等しく作成できなかったことによるものと考えている。したがって、本実験についても継続して行っている。 また、前年度実験の確認としてループ利尿剤を用い急性蝸牛血管条障害モルモットを作成し、EABRを測定した。ループ利尿剤投与量は50mg/kg、100mg/kg、150mg/kgの3条件で行った。結果、コントロール群と比較してEABRに閾値、波形とも変化は認められないことを確認した。すなわち、コルチ器感覚細胞正常なEP依存性難聴ではEABR出力電位は影響を受けないと考えられた。
|