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1995 年度 実績報告書

反復性中耳炎の発症機序の解明と予防ワクチンの開発

研究課題

研究課題/領域番号 07671880
研究種目

一般研究(C)

研究機関和歌山県立医科大学

研究代表者

山中 昇  和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (10136963)

キーワード反復性中耳炎 / インフルエンザ菌 / 外膜蛋白 / 経鼻免疫 / ワクチン
研究概要

1)中耳貯留液中の起炎菌の分子生物学的検索
PCR法により、中耳貯留液中の細菌DNAの検出を行った。すなわち、インフルエンザ菌の外膜蛋白、P6をコードするシークエンスからの2種類のプライマーを作製し、中耳貯留液中のインフルエンザ菌をPCR法により検出するとともに、既知の細菌DNA量を標準とし半定量的PCR法を行い、貯留液中のインフルエンザ菌DNA量を比較検討した。134検体の内細菌培養では30検体(22.4%)で、H.influenzae,S.pnuemoniae,M.catarrhalisのいずれかが検出されたが、PCR法では、H.influenzaeが54%,M.catarrhalisが21%と高率に検出され、両者が認められたのも11%に及んだ。さらに貯留液の性状と検出率を検討すると、ムコイド型ではH.influenzaeが56%、M.catarrhalisが23%と高率に検出されたが、漿液型ではH.influenzaeが36%、M.catarrhalisが9%と検出率は低値を示した。検出率と臨床像との関連では、遷延群では細菌DNAの陽性率が有意に高値を示し、PCR法による細菌検出が臨床像を予測する上で有用であることが判明した。
2)nontypableインフルエンザ菌の外膜蛋白およびP6蛋白の抽出
P6蛋白の抽出はMunson&Granoffの変法を用いて、極めて純度の高いP6を抽出することに成功した。P6の確認はSDS-PAGE電気泳動による分子量16000dalton付近のバンドを確認し、このバンドがウエスタンブロットにより抗P6抗体と反応することを確認した。
3)健康対照における血清中のP6特異的抗体の検索
抗P6-固相ELISAにより抗P6特異的抗体を測定することに成功した。健康小児および成人では、P6抗体は血清中lgG,lgM,lgA分画に認められたが、lgGが主体を占めた。抗P6特異的lgG抗体は加齢に伴って上昇し、10才前後でピークに達し、その後徐々に低下し、成人のレベルに維持された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Yamanaka N.: "Antibody response to outer membrane protein of nontypable H.influenzae in otitis-prone children" J.Pecliatrics. 122. 212-218 (1993)

  • [文献書誌] Yamanaka N.,etal: "Local antibody response to P6 of nontypable H. influenzae in otitis-prone and normal children" Acta Otolaryngol(Stockh). 113. 524-529 (1993)

  • [文献書誌] 山中昇: "反復性中耳炎とワクチン予防の可能性" 耳鼻臨床. 87. 869-877 (1994)

  • [文献書誌] 山中昇: "中耳炎の反復性の免疫学的機序" 小児耳鼻咽喉科. 16. 27-31 (1995)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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