研究課題/領域番号 |
07671884
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
甲能 直幸 順天堂大学, 医学部, 助教授 (20118946)
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研究分担者 |
中澤 詠子 順天堂大学, 医学部, 助手 (60245751)
中村 昇太郎 順天堂大学, 医学部, 助手 (70245752)
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キーワード | 頭頚部癌 / 癌化学療法 / 固形癌腫瘍モデル / 多細胞スフェロイド / シスプラチン耐性癌 / Paclitaxel / 薬剤感受性試験 / コロニー形成率 |
研究概要 |
培養細胞株HEp-2細胞の実験系において、DDP耐性細胞を用いた検討では、単層培養細胞からMTSにすると耐性の程度が増強した。すなわち、細胞レベルで耐性を獲得すると、固形癌のレベルでは、より耐性の程度が強くなることが示唆された。また、近年、注目されているPaclitaxel(タキソ-ル)について、その効果を検討すると、DDP耐性MTSでも親株MTSと同等にPaclitaxelに反応する事が確認された。殺細胞効果は、時間、濃度、両方に依存することも解明された。DDP耐性癌に対する有効性が示唆された。PaclitaxelとDDPの併用実験では、投与スケヂュ-ルに関する検討をおこなった。この結果、Paclitaxelを先に投与してからDDPを投与する方法が一番、相乗効果が高かった。 一方、手術時に採取した臨床材料よりMTSを作成して薬剤感受性試験を施行した。従来より臨床材料から直接MTSを作成するのは困難とされていたが、酵素処理を行わずに、鋏で細切し、これを寒天皿に播くことによりMTS作成に成功した。条件が整えば、直径が1mm位の球形のMTSが作成され、約4ヶ月間、培養が可能であった。この臨床MTSでは5FUの効果を検討した。250ug/mlの濃度で、コロニー形成率の低下を認めた。5FUでは250ug/mlの付近の薬剤濃度がMTSによる感受性試験での、陽性、陰性の判定材料の参考になると思われた。この症例は、臨床的にも5FUが著効を示し、臨床との相関が示された。今後の展開が期待される。
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