平成7年度の研究成果として、以下の成果を得た。 1)ボリウム自動調節型補聴器を開発するためのマスター補聴器(試作器)を作成した。試作器は、a)外界の音のどの範囲のレベルを増幅することが雑音の少ない補聴器となるか、b)外界の音のどのレベルに入力に対して、どの程度の増幅度がもっとも適切であるか、c)雑音の程度に応じてどのような調整と条件の変更を加えるべきか、の3点を検討する目的にかなったものとなった。 2)ボリウム自動調節型補聴器を評価するための検査音源を作成した。この検査音源は、研究代表者が作成した無意味2連音節語音でDATに録音したものを、10dB間隔で異なる3つのレベルで提示できるように編集したものである。 3)検査音源を使用し、コントロールを得る目的で正常聴力者を用いて、語音明瞭度検査を行い結果を解析した。2連音の聴取では、第1音の明瞭度は第2より低下する。この原因には、聴覚の情景分析の現象が関与していると考えられた。 4)感音性難聴で研究を開始した。
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