ラット蝸牛の内、外有毛細胞においてアスパラテイトの存在を免疫組織化学的に証明した。 今後、アスパラテイト同様に興奮性アミノ酸として知られているグルタメイトの局在をも観察したい。また組織化学的証明以外にウェスタンブロット法を用いてもラット蝸牛内にアスパラテイトおよびグルタメイトが存在することをも証明し、有毛細胞-蝸牛神経のneurotransmitterであることを明らかにしたい。 グルタメイトレセプターの内、NMDA型レセプターを先天的に欠くNMDAノックアウトマウスを用い、ABR検査を施行しワイルドマウスとの比較を行なった。その結果、ワイルド、ミュータントとも閾値に変化はなっかたが、音響負荷によりNMDAノックアウトマウスは一過性閾値上昇の変化を観察することができた。今回使用したマウスはε1およびε4の両者を欠くダブルノックアウトマウスであったが、ε1またはε4のどちらかを欠くシングルノックアウトマウスを用いて検査することによりどちらかが聴力の可塑性に関与しているかを明らかにしていきたい。またNMDAノックアウトマウスのグルタメイトレセプター(NMDA型、非NMDA型)の分布を免疫組織化学的ならびにin situ hybridyzation法を用いて証明していく予定である。
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