研究概要 |
平成7年度は細胞内にIP_3を投与し膜容量、膜抵抗を指標にしてギャップジャンクションの解離を観察した。10μM IP_3単独投与ではギャップジャンクションの解離をひきおこすものは少なかったが、Mg^<2+>, AMPの同時投与により作用が増強された。これは、細胞内Ca Channelがadenylate cyclase系を介して開口されたことによると推察された。また、レーザー顕微鏡によりHensen CellにDioC_6の染色が網み目状に分布が観察され、Fluo-3にても同様の所見が認められた。すなわち、コルチ器支持細胞のHensen CellにCa^<2+>貯蔵部位が存在して、その中にCa^<2+>が分布している。また、Ca^<2+> ionophoreのA23187を細胞外より投与することによりギャップジャンクションが解離することが観察された。よって、コルチ器支持細胞ギャップジャンクションのコンダクタンスはCa^<2+>貯蔵部位からのCa^2放出および細胞外からのCa^2流入により制御されていることがわかった。
|