ハロセン麻酔下に断頭し中耳骨胞露出、蝸牛摘出、実体顕微鏡下にコルチ器を剥離した.約300μg/mlトリプシン添加細胞外溶液にコルチ器を保持し、シェーカーにて振盪してコルチ器支持細胞を分離した。10μMIP_3細胞内投与し、25mM Adenosine‐5‐monophostate、Mg^+を含む場合の作用の違いを比較した。灌流を行った場合、灌流前をcontrolとして灌流後も経時的に観察した.指標として、膜容量、膜抵抗、局所電流を用いた。10μMIP_3、25mM Adenosine‐5‐monophostate、Mg^+を細胞内同時投与した群では膜容量の低下、膜抵抗の上昇が認められ、ギャップジャンクションの解離が観察された。しかし、25mM Adenosine‐5‐monophostateまたはMg^+を同時に投与しない場合膜容量の変化は認めらなかった。IP_3細胞内投与によりgap junction conductanceが低下し、IP_3receptorを介するCa^<2+>放出機構が存在することが推測された。また、カルシウムイオノフォア、A233187を細胞外投与により外向き電流が増加し、TEAにより抑制された。さらに、10mM BAPTA細胞内投与により低下したことよりコルチ器支持細胞にCa^<2+> activated K^+currentが存在することが示唆された。そして、Clの置換により電流が低下したことよりClも、コルチ器支持細胞周囲のイオンに関与していることがわかった。これらのことより、Ca^<2+>によりコルチ器支持細胞間結合およびhair cell motilityに関与する環境もCa^<2+>により制御されていることがわかった。
|