研究概要 |
1.前年度までの研究をまとめ、報告した(研究発表1、及び95年度ARVO学会、米国)。今年度予定していた、レーザースペックル血流画像化装置のレーザー光源の変更とレーザー特性に合わせた光学系の変更を行った。今回の改良では、レーザー光を直接に眼底に照射することができるようになり、眼底カメラの光学系でレーザーのパワーを消耗することが無くなったため、低出力の安定したレーザー光を使用できるようになった。また、人での眼底の血流測定が極めて容易に行えるようになった。次ぎに、データー解析のリアルタイム化のために、解析器内のCPUおよび基板の変更を行い、それに合わせた解析ソフトウエアーの変更を、九州工業大学工学部電子工学科の藤居らの協力により行った。以上の改良により、1秒間に16画像の血流速度マップを約3秒間連続で得ることができるようになり、動脈の拍動を以前に報告したレーザードップラー法(Ophthalmology 92:1517-1522,1985)と同じように測定することができた(研究発表2)。 2.改良した装置の精度と再現性確認のため、先に報告した回転硝子板を用いた(Ther Res 12:3817-3824,1991)実験と家兎を用いた(日眼会誌96:872-877,1992)実験を行い、良好な結果が得られた。以上の結果は1996年度日本眼科学会で報告する予定である。 3.また、平成8年度以降に予定していた臨床研究のために、札幌医科大学附属病院眼科において、本研究に適した糖尿病患者の選択と研究協力への依頼を行っている。患者の承諾に当たってはインフォームドコンセントを確認しており、以下の各群において a.黄斑症のない単純網膜症 b.黄斑症のある単純網膜症 c.視神経症を有する網膜症 d.c群と年齢、病期が同じで視神経症のないもの 予定している患者数の半分以上が確保されている。
|