研究概要 |
昨年度、糖尿病ラット(albino Sprague-Dawley)において網膜のendogenous endothelin-1の発現が増加し、糖尿病性網膜症の初期における網膜血流量の低下に関与している可能性がTakagiらにより報告された(Regulation of retinal hemodynami-cs in diabetic rats by increased expres-sion and action of endothelin-1,Invest Ophthalmol Vis Sci 1996;37:2504-2518)。しかし、同論文に用いられた、video fluorecein angiographyによる網膜血流量測定法は、動静脈血管径を正確に測定できたとしても、血漿アルブミンに容易に結合して蛍光の減弱してしまうfluoreceinを用いて網膜血流量の有意差を判定することは、本質的に信頼性に欠けると考え、fluorecein以外の血漿アルブミンに結合しない粒子(墨汁等)を注入することによいり網膜血流量測定を検討した。また昨年度まで本研究テーマの遂行において克服困難であったマウスの鮮明な眼底撮影は、最新式のコ-ワ社製小動物用眼底カメラにて可能と考えられたが、約150万円の購入費用が必要であり、当該研究補助金の範囲内では困難と判断された。そこで未だ充分には明らかにされていないエンドセリンファミリー、CGRP等の眼内循環調節ペプチドのmRNAの発現の局在をマウス、家兎で明かにすべく、最近著しく簡易化されたnon-RI in situ hybridization の準備を始めた。
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