研究課題/領域番号 |
07671909
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
富田 剛司 岐阜大学, 医学部・附属病院, 講師 (30172191)
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研究分担者 |
稲積 幸介 岐阜大学, 医学部・附属病院, 助手 (90293563)
内田 英哉 岐阜大学, 医学部, 助手 (70273133)
谷口 徹 岐阜大学, 医学部, 助手 (30179840)
杉山 和久 岐阜大学, 医学部・附属病院, 講師 (80179168)
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キーワード | 視神経乳頭 / 網膜神経線維層レーザー走査眼底鏡 / 傍乳頭網脈絡膜萎縮 / 乳頭出血 / 正常眼圧緑内障 |
研究概要 |
緑内障眼、特に正常眼圧緑内障眼でしばしば観察される乳頭部線状出血(以下、DH)と網膜神経線維層欠損(以下、NFLD)および網膜乳頭周囲網脈絡膜萎縮(以下、PPA)との関連をプロスペクティヴに検討した。調査期間中、42人の正常眼圧緑内障の48眼に計64のDHが観察された。この48眼中47眼(97.9%)にNFLDが観察された。また、64のDHの79.9%に相当する51のDHはNFLDに非常に接して存在することが確認された。また、これらDH眼とDHの既往が今まで見られない眼との間で、PPAの面積、拡がり角度、幅をコンピューター画像解析法にて比較したところ、PPAの面積と拡がり角度はDH眼で有意に大きいことが判明した。このことより、DHの存在は正常眼圧緑内障眼においては、NFLDの存在をも示す重要な所見であること、およびDHは視神経乳頭部の循環障害を示唆するPPAと関連のあることが結論された。 また、正常眼圧緑内障で視野の上下いずれか半視野のみ障害されている症例において、視野検査では異常の検出されない半視野部においても視野指標とそれに対応する視神経乳頭の陥凹傾斜度が相関することが判明し、視野指標が悪化する程傾斜度も増強した。こにより、視野異常が検出されない部においても、乳頭の形態異常がすでに始まっていることが結論された。一方、網膜神経線維層厚と視神経乳頭のパラメーターとの間の相関を検討したところ、両者はかならずしも一義的に対応していないことが判明し、乳頭陥凹は網膜神経線維層の変化に遅れて生じることが示唆された。
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