ビデオ画像処理により強化されたHirschberg testの臨床的な信頼性評価 1.目的:ビデオ画像処理により強化したHirschberg testの、臨床の場における信頼性と、有用性について明ら6かにする。 2.方法:生後4か月から75歳にいたる87例の斜視患者について、赤外線ビデオレフラクション装置PR1100をもちいて、角膜反射像のずれを最低2回、自動計測した。そして、得られた眼位ずれの測定値について、再現性(repeatability)、プリズム交代遮蔽試験(PACT)との比較、Hirschbergの換算比の度数分布の3点について検討することで、検査法としての信頼性を評価した。 3.結果:ビデオ画像処理により強化されたHirschberg testの測定値における再現性(95%信頼区間)は、水平方向の眼位ずれについては±0.18mm(±2.2°または±3.8prism diopters)、垂直方向の眼位ずれについては、±0.28mm(±3.4°または±5.9prism diopters)であった。この方法によるHirschberg testとPACTの測定値が一致する95%信頼区間は、±7.8°または±13.7prism dioptersであった。Hirschberg換算値の平均(±標準偏差)は12.3±1.2°/mmまたは21.8±2.1prism diopters/mmであった。 4.結論:ビデオ画像処理によって強化されたHirschberg testは良好な測定値の再現性と、乳幼児の検査においても簡便性を発揮した。しかし、定量的な目的には、Hirschberg換算値の固体差による系統誤差の影響を配慮すべきであることが明らかとなった。
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