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1996 年度 実績報告書

緑内障性網膜視神経障害とグルタミン酸誘発細胞死との関連についての神経生理学的検討

研究課題

研究課題/領域番号 07671921
研究機関広島大学

研究代表者

三嶋 弘  広島大学, 医学部, 教授 (20034100)

研究分担者 小坂 敏哉  広島大学, 医学部・附属病院, 助手 (50253084)
キーワード培養網膜 / 神経細胞死 / グルタミン酸 / カルシウムイオン / パッチクランプ法 / アシドーシス
研究概要

網膜におけるグルタミン酸誘発神経細胞死のメカニズムを検討するために,カルシウム蛍光指示薬であるfura-2を用いて,培養網膜神経細胞内のカルシウムイオン動態を検討した。グルタミン酸により細胞内カルシウムイオン濃度の一過性上昇が認められた。それに対するPKC関連物質,またはVIPの影響を検討したところ,両物質はグルタミン酸による細胞内カルシウムイオン濃度の上昇に影響を与えなかった。また,パッチクランプ法を用い,グルタミン酸誘発内向き電流に対するPKC関連物質またはVIPの影響を検討したところ,両物質は内向き電流に影響しなかった。以上のことから両物質のグルタミン酸神経毒性に対する影響は,グルタミン酸によって引き起こされる細胞内カルシウムイオンの過剰が生じた後の細胞の恒常性の破綻を抑制または促進することによると考えられた。
さらに我々は,網膜のグルタミン酸毒性を抑制する環境として低pH(アシドーシス)を新たに発見した。すなわち細胞外環境をpH7.4から,pH6.0-7.0の低pHにすると,グルタミン酸毒性が抑制される。さらに,パッチクランプ法を用いてグルタミン酸受容体のサブタイプで神経毒性に重要な役割を演じているN-methyl-D-aspartate (NMDA)受容体を介した内向き電流に対する低pHの環境を検討したところ,低pHはNMDA受容体を介した内向き電流を,ほぼ完全に抑制した。よって,低pHによるグルタミン酸毒性の抑制効果は,グルタミン酸受容体の活性化を抑制することによるものと結論した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Mishima H. K.: "Ultrasound biomicroscopic study of ciliary body thickness of pharmacologic agents" American Journal of Ophthalmology. 121. 319-321 (1996)

  • [文献書誌] Mishima H. K.: "Comparison of latanoprost and timolol in primary open-angle glaucoma and ocular hypertension-A 12 week study" Archives of Ophthalmology. 114. 929-932 (1996)

  • [文献書誌] Mishima H. K.: "Stimulation of retinal pigment epithelial cell growth by neuropeptide in vitro" Current Eye Research. 15. 708-713 (1996)

  • [文献書誌] Mishima H. K.: "Circadian intraocular pressure management with latanoprost : Diurnal and nocturnal intraocular pressure reduction and increased uveoscleral outflow" Survey of Ophthalmology. 41. 139-144 (1997)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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