研究課題/領域番号 |
07671939
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研究機関 | 金沢医科大学 |
研究代表者 |
佐々木 一之 金沢医科大学, 医学部, 教授 (60004850)
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研究分担者 |
浅野 浩一 金沢医科大学, 医学部, 助手 (20267743)
小島 正美 金沢医科大学, 医学部, 講師 (40183339)
中泉 裕子 金沢医科大学, 医学部, 助教授 (70131026)
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キーワード | 白内障 / 画像解析 / 分光透過率 / 水晶体透明度 / シミュレーション / 模型水晶体 / 網膜投影像 / 散乱光強度 |
研究概要 |
様々な程度・形態の水晶体混濁が結像におよぼす影響を客観的に評価する目的に、前年度に引き続き以下の研究を行った。 1)核混濁模型の改良:前年度作成のガラスレンズでは200nm付近の光を透過するためPMMAを素材として380nm以下をカットする着色IOL型の模型を作成した。核混濁はPMMAの疎水・親水性モノマーの重合で生成した。対照実験用に260nm以上の紫外線を透過する混濁模型レンズを作成した。 2)撮影用実験装置の改良:スチールカメラのレンズ部にIOL形状の模型を着脱できるように改良し、この装置で核混濁模型を用いた撮影実験を行った。 3)嚢下混濁型模型水晶体の作成:1)と同じ材質のIOLにハードコンタクトレンズを接着させ、両レンズ間隙に白色微粒子を入れこれをもって嚢下混濁模型とした。 4)新型撮影実験装置(仮称:シミュレーションカメラ)の開発:模型の表面散乱を抑え、より生体眼の水晶体周辺環境に近づけるために模型水晶体を水中で保持させながら撮影ができる装置を作成した。撮影媒体にCCDカメラを用い、リアルタイムの観察、コンピューターへの画像入力の簡素化を図った。本装置を用いて後嚢下混濁模型での撮影実験を行った。核混濁模型水晶体をスチールカメラに装着した撮影実験では、ヒト水晶体の分光透過率に近い紫外線カットモデルの方が解像力が高く、透過率が60%でも像のコントラストは若干低下する程度で、像中の物体は認識可能であった。後嚢下混濁模型をシミュレーションカメラに装着した実験では、水晶体模型中心(撮影軸上)の混濁が散乱光強度で130cctまでは解像力は殆ど低下しないが、これを超えると像の明度も低下することが明かになった(撮影対象:視力標、戸外の人物)。撮影対象を点光源とすると、混濁の拡がりにともない、像のハレーションは変化した。核、嚢下混濁模型水晶体が結像におよぼす影響を具体的にとらえる手段とほぼ確立することができた。 未だ核、嚢下混濁に限るが形態、程度の異なつた白内障眼を介しての外界の物体の結像状態を実験的にシミュレートする手がかりが得られた。
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