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1996 年度 実績報告書

胆道閉鎖症肝における補体の役割に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 07671946
研究機関東北大学

研究代表者

千葉 敏雄  東北大学, 医学部・附属病院, 講師 (20171944)

研究分担者 仁尾 正記  東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (70228138)
大井 龍司  東北大学, 医学部, 教授 (50004734)
キーワード胆道閉鎖症 / サイトカイン / トロンボポエチン / 血小板 / 部分的脾梗塞術 / 生体部分肝移植
研究概要

昨年度より我々は、胆道閉鎖症の経過においては補体系よりも鋭敏な示標として、サイトカイン、特にトロンボポイエチン(以下、TPO)に焦点を絞り、検討を続けてきた。今回は、これまで通り種々のレベルの血小板数を示すBA患者(計19例)での血清TPO値測定に加え、血小板減少を伴う脾機能亢進症患児に対する50-60%の部分的脾梗塞術(Partial Splenic Embolization : PSE) 1例、および胆汁性肝硬変の進行著しいBA患者に対する生体部分肝移植術(Living Related Liver Transplantation : LRTx)症例2例における、術前後の測定をも併せて行った。まず前者の安定状態にあるBAについては、血清TPO値と血小板数との間に明確な相関は認められなかった。これは、我々が対象としているBA長期生存例のごとき慢性疾患では、たとえ血小板減少をきたしている場合でも、血小板を産生および除去せしめる諸要因間にさまざまなレベルの定常状態が成立しているため、急性時における血清TPO値と血小板数と逆相関関係は必ずしも見られないことによる考えられる。従ってこのアプローチのみでは、目的とする病態解析は困難と考えられた。そこで我々は、かかる定常状態に急激な"揺らぎ"を与えるPSE, LRTX前後での検討を加えてみた。PSE症例では、術前より高値を示していた血清TPO値は術直後より更に上昇し、3日目をピークとして術前値に戻る傾向をみせた。一方、その血小板数は、術直後より術後14日目まで徐々に上昇を続け、血清TPO値の術後経過との間に乖離をみせている点が注目される。LRTxの2例では、いずれも術前ほぼ正常域内にあったTPO値は術後徐々に上昇し、6-7日目にピーク値を迎えていた。しかし血小板数は、術前正常値を示し術後経過も良好な例でも、2週間以上低値をとり続けており、PSEの場合とは明かに異なる経過をとっていた。このような差異から、BA患児におけるTPO関連の病態が推測された。

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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