【目的】マウス神経芽腫細胞の血管新生作用をミリポアチャンバーを用いて検討し、さらに血管新生阻害薬TNP470の効果を検討した。 【方法】実験にはC1300細胞と7-8週齢のA/Jマウス雌を用いた。ミリポアチャンバーは外径14mmのリングに厚さ0.45μmのフィルターを両面に貼り作製した。A群:チャンバー内に細胞培養液を封入して、マウス背部の皮下に埋め込んだ群。B群:チャンバー内にマウス神経芽腫細胞2X10^6個を封入した群。C群:B群にエタノールに溶解したTNP470を90mg/kg/week腹腔内投与した群。D群:C群にTNP470の代わりにエタノールを腹腔内投与した群。7日後の血管新生の状態を写真撮影して、チャンバーと接触していた範囲の血管の占有面積を画像解析装置SP-500を用いて定量化した。 【結果】血管の面積はA群53.0±8.5、B群93.5±17.1、C群52.7±6.5、D群94.1±27.6mm^2であり、AB間・CD間に有意差(p<0.01)を認めた。 【考察】マウス神経芽腫は血管新生作用を有しており、この作用はTNP470により抑制されることが証明された。 以上は、平成8年6月5日宝塚市で行われる第33回日本小児外科学会総会で発表予定である。
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