研究課題/領域番号 |
07671958
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
井上 玲 東邦大学, 医学部, 講師 (10151599)
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研究分担者 |
渡辺 聖 東邦大学, 医学部, 助手 (80167113)
神田 尚俊 東京農工大学, 農学部, 教授 (40075429)
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キーワード | 神経芽腫 / N-myc / 遺伝子増幅 / PCR / 競合的PCR / 予後判定 |
研究概要 |
神経芽腫ではN-myc遺伝子増幅は予後不良と相関していることが明らかにされている。これまで遺伝子増幅の検出にはもっぱらSouthern hybridization法(サザン法)が標準的に用いられてきたが、本法は、結果を得るまでに時間を要すること(1週間程度)、手順が煩雑であること、多量の検体DNAを必要とすること、等の欠点を有している。本研究ではこれらの欠点を克服するべく、PCR法を基本とする簡便・迅速な定量法を確立し、さらにその臨床検体への応用を試みた。 我々は競合的PCR法(cPCR法)を神経芽腫におけるN-myc増幅度定量に応用することにした。最初に制限酵素Mlu1切断箇所を削除したN-mycゲノム断片をもつ競合プラスミドpZH2を作製した。pZH2を用いて計47検体の神経芽腫より得たDNAについてN-myc遺伝子のコピー数を求め、サザン法によって得られたコピー数との比較検討を行ったところ、両者の間の相関係数は0.85であり、cPCR法がサザン法と同等の結果を与えることが示された。本cPCR法によるN-myc遺伝子の定量に要する時間は検体採取日を含めて3〜4日間であり、サザン法に比べかなり短時間でN-myc遺伝子のコピー数を求めることができる。また、検体DNA量についてもわずか200ng程度で実施可能であった。 さらに6例の針生検検体についてcPCR法によるN-myc遺伝子コピー数を調べたところ、針生検検体でもcPCR法によるN-myc遺伝子コピー数算定には十分な検体量であり、結果にもとづいて治療方針を決定することができた。このことから、 cPCR法を用いることによってこれまではN-myc遺伝子コピー数の算定が不可能であったような早期症例でも、N-myc遺伝子コピー数にもとづいた治療方針の決定が可能であることが確認された。
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