研究課題/領域番号 |
07671968
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研究種目 |
一般研究(C)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
脇坂 聡 大阪大学, 歯学部, 助教授 (40158598)
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研究分担者 |
糸田川 徳則 大阪大学, 歯学部, 助手 (70232494)
加藤 穣慈 大阪大学, 歯学部, 助手 (90243245)
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キーワード | 神経損傷 / 下歯槽神経 / 三叉神経節 / 歯根膜 / neuropeptide Y / カルシウム結合蛋白 / 歯髄 / 神経再生 |
研究概要 |
抹梢神経に損傷を与えた場合、その細胞体で神経ペプチドなどの神経調整物質の合成の変化が認められる。我々は1991年に坐骨神経損傷により、本来一次感覚神経ではほとんど認められないneuropeptide Y(NPY)が後根神経節の中型から大型細胞に発現し、また脊髄後角のIII〜IV層にNPY様免疫活性が増加することを報告した。しかしながら従来は神経節や脊髄後角での変化に注目され、損傷部よりも抹梢受容野での変化については報告が無かった。本研究では代表的な三叉神経抹梢枝である下歯槽神経を用い、神経損傷による神経ペプチドの変化について調た。 1)下歯槽神経損傷による三叉神経節でのNPYの発現の経日的変化 下歯槽神経を切断し、その切断端に蛍光トレーサーを注入し、三叉神経節でのNPY陽性細胞の発現を経日的に調べたところ、切断後3日ですでにNPY陽性細胞が認められ、切断14日後にその数は最大になった(約35%)。 2)歯槽神経損傷による三叉神経節でのNPYとカルシウム結合蛋白の関係 下歯槽神経切断後、三叉神経節で認めらるNPY陽性細胞の一部はカルシウム結合蛋白のうち、calbindin D28k陽性であるが、parvalbumin陰性であることが分かった。 3)下歯槽神経損傷による抹梢受容野での神経ペプチドの発現 上頸神経節切除を行ったラットの下歯槽神経損傷後、歯髄、歯根膜でのNPYの分布を調べたところ、NPY陽性神経が歯髄の象牙芽細胞層付近に認められた。また切歯舌側歯根膜では太い神経線維にNPY陽性反応が認められ、これらは歯根膜の機会刺激受容器であるRuffini終末と形態が類似していた。 また、神経損傷により知覚神経節で増加が認められるgalaninが種々の動物の歯髄に認められ、これらgalanin陽性神経線維は三叉神経節由来であることが明らかになった。
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