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1995 年度 実績報告書

ラット歯胚の形態形成と細胞分化の制御機構における細胞基質間接着分子の役割

研究課題

研究課題/領域番号 07671994
研究種目

一般研究(C)

研究機関神奈川歯科大学

研究代表者

岩瀬 峰代  神奈川歯科大学, 歯学部, 助手 (30155048)

キーワードFocal adhesion-kinase(FAK) / Integrin / 細胞分化 / 形態形成 / 細胞外基質 / ラット歯胚
研究概要

【目的及び方法】本研究では細胞分化に伴うラット歯胚発生過程における,Integrin β1鎖との結合部位におけるチロシン燐酸化の増大に関与するFocal adhesion-kinase(FAK)の局在の変化を調べ,細胞外基質によるIntegrinを介する情報伝達系の活性化調節と,細胞基質間接着構造から細胞骨格系を介した細胞内へのシグナル伝達機構との関連を免疫組織化学的に検索した。
【結果及び考察】FAKは前象牙芽細胞,象牙芽細胞及びエナメル質が形成される直前の分化期エナメル芽細胞以降に発現しており,これらの部位にはFibronectinの陽性反応は観察できた。なお,Laminin, Collagen Type IVの陽性反応は基底膜には観察できたがFAKの陽性反応に必ずしも一致していない。したがって,細胞外基質によるIntegrinを介する情報伝達系の活性化調節には,Fibronectinが大きな役割を担っていることが示唆された。
また,エナメル芽細胞の分化に伴う細胞外基質から細胞骨格系への細胞内情報伝達カスケードに関与する蛋白質の局在の変化を検討した結果,まず基底膜にFibronectinの強い陽性反応が観察され,その部位よりIntegrin及びpaxillinの陽性反応も観察された。その後,Fibronectinの陽性反応は次第に弱くなったが,Integrin及びpaxillinの陽性反応は分泌期エナメル芽細胞までほぼ同様な強さで観察された。FAKの陽性反応は細胞分化に伴い大きく変化しており,FAKの発現以降の分化段階のエナメル芽細胞において遠位端付近に細胞骨格関連蛋白質(vinculin,α-actinin及びF-actin)の局在の変化が見られ,エナメル芽細胞の高さなどの形状が変化し,エナメル質の形成が観察されたことから,エナメル芽細胞の細胞基質間接着構造から細胞骨格系を介した細胞内情報伝達カスケードの成立にFAKの発現が重要であり,FAKがintegrinを介する情報伝達系の活性調節に関与している可能性が示唆された。

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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