歯周病原性グラム陰性桿菌のPorphyromonas gingivalis(以下P. g)381株の染色体DNAを8塩基認識制限酵素のNot Iで切断し、パルスフィールド電気泳動で断片DNAを分離した。 その結果780Kbpから20Kbpまで9本の断片が検出された。これより染色体DNAの大きさは約2.3Mbpと推定された。 得られた泳動ゲルをニトロセルロース膜に転写し、標識DNAとハイブリッドさせた。線毛遺伝子(fimA)、およびその上流、下流の遺伝子、プロテアーゼおよび血球凝集素活性に関与する遺伝子(hap)、75K外膜蛋白質の構造遺伝子についてその局在を調べるために、各遺伝子より0.5〜0.9KbpのDNAを溶出し、digoxigenin-labeled deoxyuridine-triphosphateで標識し同システムにて検出した。 その結果、線毛遺伝子と75K外膜蛋白質遺伝子は780Kbpの最も大きな同一断片上に存在することが明らかとなった。hapはfimAと同じ断片と、更に180Kbpの断片上にも存在していた。 また、P. g33277にBacteroides fragilisのトランスポゾンを組み込んで得られた線毛欠損変異株について、組み込まれたトランスポゾンとfimAとの局在についても検索した。 線毛欠損変異株に関してはトランスポゾンは必ずしもfimAの近傍に組み込まれてはいない株も存在する事が確認された。
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