研究課題/領域番号 |
07672003
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 福岡歯科大学 |
研究代表者 |
佐藤 敦子 福岡歯科大学, 歯学部, 助教授 (20099047)
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研究分担者 |
菅沼 龍夫 宮崎医科大学, 医学部, 教授 (60115350)
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キーワード | Submandibular gland / High-pressure Freezing-Freeze Substitution / Main excretory duct / tuft cell / Wistar Rat |
研究概要 |
内胚葉性器官(気官、肺胞、胆嚢、胆管、ラット唾液腺導管系)に存在するtuft cellは細胞頂部に長い微絨毛を有し、頂部細胞質に微小管やマイクロフィラメントが存在し、その間に多数の小胞が観察される。形態的特徴がはっきりしているにもかかわらず、その機能に関してはまったくわかっていない。また導管系を構成する他の細胞は固定がうまくいくのに、この細胞は固定が難しく、tuftcellの長い微絨毛が癒合し頂部が膨らんでいることがしばしば観察される。固定の条件によるものかどうか調べる為に、生きたままに近い状態を維持していると考えられる凍結固定法(高圧凍結凍結置換法)を用いWistar系雄性ラットの顎下腺主導管を切りだし、試料作成を行った。透過電顕にて観察を行い、通常の化学固定との微細構造の違いを比較検討した。 1)微絨毛の癒合は高圧凍結凍結置換法を用いた標本でも観察された。癒合はまず微絨毛の先端よりおこる事が明らかになった。アポトーシスが起きている可能性が考えられるので、今後組織細胞化学で調べる予定である。非常に頻繁にアポトーシスが起きるということはターンオバ-の早い細胞と考えられる。 2)tuft cellの核上部の細胞質には多数の小胞が観察されるが、化学固定の標本では小胞は丸いが、高圧凍結凍結置換法を用い標本では小胞体状のものが主であった。非常に小さい小胞も観察された。それらの中には中等度電子密度の物質が詰まっていた。化学固定のものでは物質は観察されなかった。 3)微絨毛の糖衣は化学固定では観察されないが、高圧凍結凍結置換法の標本では存在していた。 4)化学固定の標本でたまに同心円状に配列する小胞の層構造が観察されるが、高圧凍結凍結置換法の標本でも観察され、粗面小胞体と連続していることが明らかになった。
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