研究課題/領域番号 |
07672014
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研究種目 |
一般研究(C)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
開 祐司 大阪大学, 歯学部, 助教授 (40144498)
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研究分担者 |
井上 博之 大阪大学, 医学部・附属病院, 講師 (90167271)
鈴木 不二男 大阪大学, 歯学部, 教授 (40028717)
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キーワード | 軟骨細胞 / 石灰化 / 破骨細胞 / 破軟骨細胞 / 細胞外基質 / 細胞分化因子 / 軟骨内骨化 |
研究概要 |
ウサギ肋軟骨骨移行部から分離した成長軟骨細胞を10%ウシ胎仔血清を含むDMEM/Ham'sF-12混合培地にて培養して、増殖期、成熟期、肥大化期、石灰化期の各分化段階の軟骨細胞培養上清を回収した。まず、幼若ウサギ大腿骨より分離した全骨細胞を象牙片上に播種・培養し、得られた各培養上清を添加して培養を続け、骨吸収活性を定量的に測定した。また、5-FU処置マウス脾細胞より分離した未分化芽球からのTRAP染色陽性多核細胞の形成を指標として破骨細胞分化促進活性を検定した。その結果、石灰化期の培養上清にのみ、活性型ビタミンD_3に匹敵する強い骨吸収促進活性ならびに破骨細胞分化誘導活性が検出された。さらに、培養上清の作用を経時的に観察した結果、活性型ビタミンD_3と異なる未知の因子による可能性が高いことが判明した。また、マウス由来軟骨組織幹細胞株ATDC5を長期に培養して石灰化させて得られる培養上清にも、ウサギ肋軟骨培養細胞と同様な破骨細胞活性因子が含まれていることが示唆された。さらに、ウシ胎仔骨端軟骨抽出物の粗分画には、培養上清と同様の生物活性が存在することを突き止めた。 予備実験から予測された通り石灰化軟骨細胞が、新規の破骨細胞形成因子を産生分泌していることを明確に示すことが出来た。また、大量取得が可能であるウシ胎仔骨端軟骨組織抽出物に同様の活性を認めたことは、本活性因子の精製を現実的にするものであった。さらに、この組織抽出物の分画を行ったところ、少なくとも2種類の異なった蛋白質にこのような活性が付随していることが明かとなった。
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