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1995 年度 実績報告書

咀嚼と中枢神経細胞の機能との関連性について

研究課題

研究課題/領域番号 07672019
研究種目

一般研究(C)

研究機関九州大学

研究代表者

堀 信顕  九州大学, 歯学部, 助教授 (60037520)

研究分担者 山本 健二  九州大学, 歯学部, 教授 (40091326)
キーワード粉末飼料 / 固形飼料 / 咀嚼運動 / 膜電位 / 膜抵抗 / ルシファーイエロ- / シナプス長期増強
研究概要

同腹マウスを2群に分け固形飼料と粉末飼料にて飼育すると、条件回避、迷路学習能力の判定スコアは固形スコアは固形飼料飼育群が有意差をもって高くなった。この結果は強度な咀嚼運動が脳の血液循環の促進に起因したものであろうと推定した。この結果を再検討するために、報告されたと同様に飼育したSDラットの海馬脳切片を作製して生理学的、組織学的実験を行なった。海馬は記憶の形成に大きな働きをしていると考えられている。
(方法)離乳可能直後(約40g)のSDラット2腹20匹をそれぞれ粉末飼料、固形飼料飼育の2群に分け約10週間飼育した。エーテル麻酔下で椎骨分離を行い脳を迅速に取り出し、厚さ400ミクロンの海馬切片を作製した。この工程は十分に95%酸素と5%炭酸ガスを飽和されたクレブスリンガーで行なわれた。同心円型刺激電極はシャファーの側枝に設置し、記録はリンガーを充填したガラス電極、3M酢酸カリを充填した微小ガラス電極にてCAI錐体細胞層、錐体細胞から細胞外、細胞内からそれぞれ行なった。また細胞形態を観察するためにルシファーイエロ-(蒸留水にて10%)を細胞内に注入し蛍光顕微鏡にて観察した。(結果)飼育室は午後3時から午前3時まで暗室にし、粉末飼料は専用の容器にて与えた。経時的に体重を測定したが10週目で固形群が多少体重が大きくなった。膜電位、膜抵抗に関しては固形群が粉末料群より大きく、シナプス長期増強は有意差をもって粉末群が大きかった。ルシファーイエロ-による形態の観察ではCAI錐体細胞には大きな変化は観察されなかった。(考察)シナプス長期増強と学習との関係は現在問題にされているが神経構築の生理的役割を検討するには重要な武器であると考えられる。刺激に応じる反応、膜電位、膜抵抗、電気泳動による神経伝達物質の感受性から推察するに粉末群は成体化の速度が遅く若干化現象が現れている様に考えられる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Amano T., et al.: "Age-related changes in cellular localization and enzymatic activities of cathepsins B, L and D in the rat trigeminal ganglion neuron." Mech. Ageing Dev.83. 133-144 (1995)

  • [文献書誌] Amano T., et al.: "Increased expression of cathepsins E and D in reactive microglial cells associated with spongiform degeneration in the brain stem of senescence-accelerated mouse" Exp. Neurol.136. 171-182 (1995)

  • [文献書誌] Okada M., et al.: "Long-term spatial cognitibe impairment after middle cerebral artery occlusion in rats: no involvement of hippocampus" J.Cereb. Blood Flow Met.15. 1012-1021 (1995)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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