1.エイズ関連マイコプラズマが細胞膜結合性のホスファチジルコリンならびにホスファチジルイノシトール特異的ホスホリパーゼCを有することを明らかにした。ホスファチジルイノシトール特異的ホスホリパーゼCは免疫学的に重要な役割を果たしているCD14あるいはFcレセプターなどのGPIアンカー型の膜タンパク質を細胞膜から切り離すことが知られている。このような理由から、エイズ関連マイコプラズマは免疫抑制状態を誘導できるのではないかと考えられる。 2.口腔ならびにエイズ関連マイコプラズマがコンカナバリンAによって誘導されるTリンパ球のアポトーシスを加速し、また、本活性にはTNF-αが重要な役割を果たしているを明らかにした。 3.口腔マイコプラズマが歯肉線維芽細胞に炎症性サイトカインであるIL-6ならびにIL-8を誘導し、また、その誘導メカニズムはグラム陰性菌のLPSのそれとは異なることを明らかにした。本知見は口腔マイコプラズマの歯周疾患における病因的役割の一端を解明したものと思われる。
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