研究課題/領域番号 |
07672049
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 高知医科大学 |
研究代表者 |
米田 和典 高知医科大学, 医学部, 助教授 (90182849)
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研究分担者 |
植田 栄作 高知医科大学, 医学部, 助手 (10203431)
山本 哲也 高知医科大学, 医学部, 講師 (00200824)
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キーワード | ペプロマイシン / アゼプチン / 肺線維症 / サイトカイン / iNOS / スーパーオキサイド / 情報伝達 / redox |
研究概要 |
ペプロマイシン(PLM)投与マウスの肺から分離した線維芽細胞(Fb)は、増殖能が亢進し、コラーゲン合成が盛んである。その機序として一つには、PLMはイノシトールのリン酸化を亢進せしめ、細胞内Ca^<2+>の放出し、PKCの活性化を促すことが明らかとなり、さらには、さらには、各種蛋白のチロシン残基のリン酸化を介して、_<ras>p21からMAPKへのシグナル伝達を亢進せしめ、最終的に、NF-κBの核内移行およびc-myc発現を増強することが示された。さらに、FbはPLMにより、筋線維芽細胞へ分化することが形態学的に、組織化学的に明らかにされた。PLMは一方では、各種細胞からのサイトカイン産生を亢進すると共に、NADPHの構成蛋白(p47^<phox>、p67^<phox>)の活性化を促進せしめ、好中球、マクロファージからの活性酸素生成を亢進させることが明らかとなった。一方、抗アレルギー剤であるアゼプチンは、PLMのこれらの促進作用に対し、いずれも拮抗的に働き、Fbからのコラーゲンおよびサイトカイン合成、さらには貪食細胞からの活性酸素の生成を阻害した。実際に、PLMと共にアゼプチンを投与されたマウスでは、肺の線維化は抑制され、Fbにおけるサイトカイン-mRNAおよびサイトカインレセプターの発現は抑制された。これらの結果より、PLMによる肺線維症の機序の一端として、サイトカインおよび活性酸素生成の亢進が考えられ、この作用を打ち消すことにより、PLMの肺線維症は抑制されることが明らかとなった。
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