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1997 年度 実績報告書

抗癌剤による肺線維症の発生機序とその予防

研究課題

研究課題/領域番号 07672049
研究機関高知医科大学

研究代表者

米田 和典  高知医科大学, 医学部, 助教授 (90182849)

研究分担者 植田 栄作  高知医科大学, 医学部・附属病院, 助手 (10203431)
山本 哲也  高知医科大学, 医学部・附属病院, 講師 (00200824)
キーワードペプロマイシン / アゼプチン / 肺線維症 / サイトカイン / iNOS / スーパーオキサイド / 情報伝達 / redok
研究概要

癌の化学療法に伴う肺線維症の予防を目的に、ペプロマイシン(PLM)誘導肺線維症をモデルに研究を行い、現在のところ、以下の結果を得ている。
1.PLM投与マウスの肺線維芽細胞(Fb)はサイトカイン産生能が亢進し、増殖能、コラーゲン合成が盛んであった。
2.PLMは、イノシトールのリン酸化、PKCの活性化、チロシン残基のリン酸化、^<ras>p21からMAPKの活性化等、シグナル伝達を亢進せしめ、NF-kBの核内移行、およびc-myc発現を増強した。
3.PLMは、NADPHの構成蛋白(p47^<phox>、p67^<phox>)の活性化を促進し、好中球、マクロファージからの活性酸素生成を亢進せしめた。
4.これらのPLMの作用に対し、抗アレルギー剤である塩酸アゼラスチン(アゼプチン)は、全てに拮抗的に作用し、PLMによる肺線維症を抑制した。
5.マウスにおけるPLM-肺線維症は、肺の辺縁部より始まり、強度になると気管支周辺にまで及んだが、組織学的にFbを観察したところ、筋上皮細胞への変化が認められた。
6.PLM-肺線維症におけるFbは、ビメンチンのみならず、デスミンおよびα-平滑筋アクチンを発現しており(in situ hybridization)、本アクチンはmRNAおよび蛋白レベルでも観察された。
7.PLMを投与されたマウスより分離されたFbをin vitroでPLM存在下で培養すると、筋線維芽細胞への変化は著明となり、コラーゲン合成も強く増強した。
これらの結果より、PLMはサイトカイン産生、あるいはコラーゲン合成、さらには増殖に必要な細胞内シグナル伝達を亢進させることが明らかとなり、アゼプチンはこれを阻害することが示された。今後、Fbの筋上皮細胞への変化に関わるシグナルを追求すると共に、線維化に関わるサイトカインの役割を解明する方向で研究する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Kazunori Yoneda: "Azelastine hydrochloride(Azeptin)inhibits peplomycin(PLM)-induced pulmonary fibrosis by contradicting up-regulation of signal transduction" Anti-Cancer Drug Design. 12・7. 577-590 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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