研究概要 |
1.両側顎関節のMRI volume scanの指摘パルス系列は、fast GRASS sequenceを用い、正常ボランティアにおいてTR 25msec, T2 9msec, flip angle 20, matrix 256x128x32, 0.75NEX, slice thickness 2.5mmであった。一顎位の撮像時間は78秒であり、3D volume scanとしては、従来の撮像時間より著明な短縮が可能となったが、一開閉運動を連続で撮像するため、MRI用の開口器を併用した。 2.臨床的に顎関節症と診断された症例において上記パルス系列を用い一開閉口運動を分割し、両側顎関節の準動態撮像を施行した。得られたvolume imageから矢状断像、冠状断像の再構成画像を作製した。 冠状断像は矢状断像よりも空間分解能の劣化を認めたが、関節円板の同定は容易であった。 3.顎関節動態解析プログラムを作成し、得られた再構成画像を転送し、分析中であるが、従来の臨床で用いられている顎運動記録装置の結果と同様の傾向を示した。さらに両側顎運動の不均衡は関節円板の位置異常と動態異常が深く関連し、関節円板の位置異常を認めない顎関節症症例において、従来のMRI撮像法では検出困難な関節頭の動態異常が把握された。本法では、関節円板の観察が可能であるため、従来の顎運動解析装置による分析に寄与する補助的診断法として有益と考える。
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