研究概要 |
本研究の目的は,オートクレーブ処理後のTHP内部の特性変化とオートクレーブに変わる有効な滅菌法の開発の一つとしてプラズマの特性について検討することである. 【オートクレーブ処理後のTHP内部の特性変化】 8種の新品のタービンハンドピ-ス(THP)について,121℃、15分間の条件で,100回,オートクレーブで処理した後の特性変化について検討し,次の結果を得た. 1.ベアリングの各部品の表面構造を実体顕微鏡で観察すると,全THPにおいてボールの転がり面に、異物の付着や,鈍い光沢をもつなし地を呈した表面構造がみられた.また,潤滑油などが熱で変色したいわゆるテンパーカラーの所見を示したTHPも存在した. 2.THPの回転音の周波数分析において,処理後のローターの回転の周波数が,処理前に比較して著明に減少した例や,雑音が生じた例では,ベアリングの損傷が高くなる傾向がみられ,回転音の周波数分析と部品の損傷程度との間に対応がみられた. 【酸素プラズマの特性】 酸素プラズマ装置(低温灰化用プラズマリアクター:PR31-ヤマト科学社製,酸素ガスボンベ,真空ポンプなどより構成)について,その特性を調べたところ,以下の結果を得た. 1.口腔内細菌(10^4〜10^6CFU)にて汚染した金属試料を300Wの出力にてプラズマ処理した結果,25試料すべて陰性培養を示した. 2.オートクレーブ,乾熱およびプラズマ処理をした切削バ-の表面構造を走査電子顕微鏡にて観察した.その結果,プラズマ処理(100W、10分)したバ-が最も清浄な表面構造を示した.
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