研究課題/領域番号 |
07672074
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
鮎川 幸雄 新潟大学, 歯学部, 助手 (00183145)
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研究分担者 |
吉羽 邦彦 新潟大学, 歯学部・附属病院, 助手 (30220718)
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キーワード | 修復象牙質 / 象牙芽細胞 / 細胞外基質 / 基底膜 / 上皮-間葉相互作用 / う蝕 / 抗原提示細胞 / 免疫組織化学 |
研究概要 |
修復象牙質形成における象牙芽細胞の分化誘導のメカニズムに関する基礎的研究の一環として、特に細胞分化と細胞外基質との関連性に着目し、その局在について免疫組織化学的検索を進めている。歯の形態発生と細胞分化は上皮-間葉の相互作用により制御されており、この相互作用に基底膜が重要な役割を果たしている。歯の発生過程と修復象牙質形成過程における細胞分化のメカニズムと基底膜の機能を比較する目的で、歯の発生過程における基底膜構成成分ラミニン-5の発現と局在をin situハイブリダイゼーション法と免疫蛍光法を用いて検索した。その結果、ラミニン-5は発生時期特異的な発現パターンを示すこと、また細胞分化の家庭で基底膜構成成分の変化が起こることが明らかにされた。今後、歯髄細胞から象牙芽細胞への分化の過程で何らかの基底膜構成成分の発現とその変化があるか検索する必要がある。 一方、う蝕による歯髄組織の免疫応答を把握することは保存修復処置を行う上で重要なことである。ヒト歯髄におけるClassII主要組織適合複合体(MHC)抗原提示細胞(HLA-DR陽性細胞)の局在を未萌出歯、萌出健全歯、さらにう蝕歯において免疫組織化学的に観察した。HLA-DR陽性細胞は歯牙形成開始初期から象牙芽細胞層を中心にすでに局在し始め、感染とは無関係に歯髄内に多く存在することが明らかとなった。また、極めて初期のう蝕の時期から病巣直下にHLA-DR陽性細胞が集積していることが明らかにされ、さらに象牙細管中に象牙芽細胞突起とHLA-DR陽性細胞とが共存して観察されることから、修復象牙質形成との関連性が示唆された。
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