1.人工歯植立模型の動的粘弾性試験 バイオメカニカル スペクトロメータ(工業技術院機械技術研究所所有)により人工歯植立模型の動的粘弾性試験を行った。今回の試験はスペクトロ解析を中心に行った。実験条件は2条件としてした。第一に荷重条件として基準荷重10.0N、振動荷重3.0N、基準荷重20.0N、振動荷重5.0N、第二として試料の乾燥状態と湿潤状態の相違を設定し実験を行った。周波数領域は0Hzから50Hzまでとして変位・荷重応答を測定した。その結果は以下の通りである。レジン歯、陶歯ともに乾燥状態と湿潤状態でのそれぞれの試料のstiffnessおよびtan δを比較したが、レジン歯においても陶歯においても有意な差は認められなかった。湿潤状態でのstiffnessおよびtan δの値をレジン歯と陶歯との間で比較すると、陶歯でstiffnessの値が高く、tan δの値は低かった。さらに熱サイクルの影響を知るために、引き続き検討を行っている。 2.落錘衝撃試験の高速化 現在までに行っている落錘衝撃試験では、データをえるのに時間がかかるために、高速化を図っている。これによって効率的な落錘衝撃試験を行えるようになる。 3.シミュレーターの作製 口腔内の義歯の動態を再現するためにシミュレーターの製作を行っている。人工歯の力学特性を測定するためには、実験中にシミュレーターが力を受けて変形してはならない。再現性があり、口腔内の状況を可級的に再現できるシミュレーターの製作をすすめている。
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