研究概要 |
バイオセラミックス開発のための接着界面における構造変化を理論的に解析するためのモデルとして象牙質接着性とその接着機構に焦点をあてた。それら界面の構造はsmear layer, hybrid layer, bonding areaから成り立ち,コンポジットレジンを象牙質に接着させるために,それぞれ内部での応力およびひずみをどのように計算することが重要である。従って,私はその接着界面における構造変化を解析するモデルをつくることにした。すなわち,バイオセラミックスの接着試験に関する指針のための臨床応用試験を必要とすることから,それぞれのlayerの界面の関わりについて実験結果を積み重ねてきた。 得られた主な結果をまとめると,1)接着界面での応力分布を有限要素応力解析モデルで明らかにした。2)超微小硬度解析結果は接着界面での硬さ(20〜500Mpa)と弾性率(10^3〜10^4Mpa)を明らかにした。3) X線光電子解析結果は,それぞれの界面およびそれぞれのlayerの複合体に対するコンディショナ-やプライマー処理効果のちがいを明らかにした。4)それぞれのlayerの性質は物性(ポアソン比,硬さ,弾性率)によって影響されることや象牙質接着領域の大きさによる影響を受けないことを解析モデルによって明らかにした。以上の基礎的結果からバイオセラミックス開発のためのモデル実験によって接着界面の機能を含めた力学モデルを明確にする端緒になるものと思われる。
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