研究計画に基づいて、昨年度と本年度の2年間にわたり、雌ビ-グル犬を5群に分け、各群とも両側下顎小臼歯(P1〜P4)を抜歯して、その後所定の時期(12、16、20、24、36週目)に屠殺し、それらの下顎骨を採取して、無歯部顎堤の骨動態の検討に供した。まず、無歯顎骨部(下顎小臼歯部)の骨密度(BMD)を測定したところ、経時的に減少する傾向が見られたが、実験期間中では統計学的に有意な差は認められなかった。さらに、非脱灰研磨標本を作製し、ラベリング像を利用して骨組織形態計測法による定量的検討を計画した。計測における意図的操作を回避するために、観察は“blind"で行うことにした。このため、計測作業は全実験群の標本の作製の後に行う必要があり、現時点においては標本作製は完了したが、その計測結果を公表できる段階ではない。
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