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1997 年度 実績報告書

口蓋裂児の構音障害の発症因子に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 07672163
研究機関新潟大学

研究代表者

磯野 信策  新潟大学, 歯学部・附属病院, 助手 (10168289)

研究分担者 中野 久  新潟大学, 歯学部・附属病院, 講師 (60180329)
キーワード口蓋裂児 / 機能性構音障害児 / 音声弁別 / 聴取実験 / 構音治療 / 声門破裂音 / 口蓋化構音 / 鼻咽腔閉鎖機能
研究概要

口蓋裂児と機能性構音障害児各5例を対象として、音声ディジタルフィルタ、音声ディジタルスペクトルエディタ、ホルマント型音声合成プログラムを用いて音源定位実験と音素修復知覚実験を行った。その結果、フォルマントを加工した母音の同定実験では両群に差は認められず、声門破裂音との弁別能力をみるためにVOTを長時間としてアタックの強い音を提示しても母音として聴取していた。また、摩擦子音の周波数分布を加工して標準音を次第に歪ませていくと、口蓋裂児では少ない歪み量で異常と判定していた。
上記の実験手続きを構音障害治療前後で行った結果、母音の同定実験では両群とも構音治療前後で差は認められなかった。摩擦子音では治療前の口蓋裂児は機能性構音障害児に比し少ない歪み量で異常と判定していたが、治療後では差は認められなかった。また、構音障害の種類により声門破裂音群と口蓋化構音群に分類して実験を行ったところ、両群に差は認められなかった。
当科では二段階口蓋形成手術を行った唇顎口蓋裂児のうち構音障害例58例について臨床統計的な観察を行った結果、4歳頃までの早期の鼻咽腔閉鎖機能不全の程度によって発症する構音障害が相違しており、機能不全が比較的重度の場合には声門破裂音が、軽度の場合には口蓋化構音が発症していた。
以上のことから、口蓋裂児においては構音障害の発症要因としては鼻咽腔閉鎖機能不全の関与が大きく、音声弁別能力の低下という要因は少ないと考えられた。また、機能性構音障害児では音声弁別能力が口蓋裂児に比し低下していると考えられた。今回の実験に使用した機材では機能上の制約が多々あったため、今後さらに新規の機材を用いて、破裂子音、および、単語の短文について、再度、実験を行いたいと考える。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 小野和宏: "Furlow法による口蓋形成術" 日本口腔外科学会雑誌. 41・3. 220-223 (1995)

  • [文献書誌] 磯野信策: "二段階口蓋形成手術例の構音障害とその訓練成績について" 日本口蓋裂学会雑誌. 20・4. 272-273 (1995)

  • [文献書誌] 磯野信策: "口唇裂口蓋裂におけるインフォームドコンセント-患者および親への告知に関するアンケート調査" 日本口蓋裂学会雑誌. 21・4. 298-299 (1996)

  • [文献書誌] 山本奈津: "幼児の構音発達に関する調査-保育所における280名の構音検査結果" 新潟県聴覚言語障害児教育研究会紀要. 11. 45-49 (1997)

  • [文献書誌] 磯野信策: "二段階口蓋形成手術後の言語成績" 日本口蓋裂学会雑誌. 22・4. 263-263 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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