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1996 年度 実績報告書

単純ヘルペスウイルスの潜伏感染とプロテインキナーゼに関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 07672178
研究機関徳島大学

研究代表者

由良 義明  徳島大学, 歯学部・附属病院, 講師 (00136277)

キーワード単純ヘルペスウイルス / プロテインキナーゼ / リン酸化蛋白 / チルホスチン / 抗ウイルス作用
研究概要

単純ヘルペスウイルスI型(HSV-1)による感染症は口腔領域で最も頻度の高いウイルス感染症である。HSV-1にはリン酸化蛋白とHSV-1固有のプロテインキナーゼ(PK)の存在が知られているが、ウイルス蛋白リン酸化の意義については十分明らかにされていない。ATP拮抗型チロシンキナーゼ(PTK)阻害剤のゲニステインとプルネチンを用いてHSV-1増殖への影響を検討した結果、濃度依存的にHSV-1増殖が阻害された。PTK阻害作用のない類似体ゲニスチン、ダイドゼインでは阻害はなかった。基質拮抗型PTK阻害剤チルホスチン9、47、B42、B46もHSV-1に抑制的であり、チルホスチン9は最も強いHSV-1増殖阻害効果を示した。また、ホスホチロシンホスファターゼの阻害剤であるバナデイト処理ではHSV-1のプラック形成が促進された。したがって、蛋白チロシンリン酸化はHSV-1増殖に必要と考えられた。HSV-1感染細胞においてはHSV-1蛋白ICP6、17/18、19/20、25が主なチロシンリン酸化ウイルス蛋白であり、そのうちICP19/20の合成とリン酸化はチルホスチン9にて最も強く抑制された。ICP19/20はペピチド抗体と反応性からUL47遺伝子産物であることが判明した。プロテインキナーゼC(PKC)阻害剤H-7にも抗HSV-1作用があること、PKC活性化剤TPAには細胞融合能をもつHSV-1HF株による細胞融合を促進する効果のあることも明らかとなった。また、今回の研究にてハムスター、マウスを用いた動物実験系を確立したので、今後PK阻害剤のHSV-1潜伏感染と腫瘍形成に対する影響を検討することが可能となった。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] 由良義明: "イソフラボンの単純ヘルペスウイルス増殖に及ぼす影響" 日本口腔科学会雑誌. 44・1. 66-76 (1995)

  • [文献書誌] Yoshiaki Yura: "Inhibitory effect of tyrphostin on the replication of herpes simplex virus type 1" Archives of Virology. 140・7. 1181-1194 (1995)

  • [文献書誌] 由良義明: "ヘルペスウイルスに対するチルホスチンの増殖阻害" 口腔組織培養研究会誌. 4・1. 95-96 (1995)

  • [文献書誌] 由良義明: "単純ヘルペスウイルスのリン酸化とプロテインキナーゼ" 口腔組織培養研究会誌. 4・1. 21-32 (1995)

  • [文献書誌] Yoshiaki Yura: "Effects of testosterone on tumor induction and epidermal growth factor production in the mouse submandibular gland" Journal of Oral Pathology and Medicine. 24・7. 303-308 (1995)

  • [文献書誌] Yoshiaki Yura: "Hexamethylene bisacetamide as a chemopreventive agent in hamster cheek pouch tumorigenesis" Oral Oncology,European Journal of Cancer. 32B・4. 246-250 (1996)

  • [文献書誌] 由良義明: "ホルボールエステルによるヘルペスウイルス感染細胞融合の促進" 口腔組織培養研究会誌. 5・1. 103-104 (1996)

  • [文献書誌] Yoshiaki Yura: "Effects of protein kinase inhibitors on the replication of herpes simplex virus and the phosphorylation of viral proteins(in press)" Intervirology.

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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