実験に供した血管内皮細胞は正常ヒト大動脈血管内皮細胞である。これは市販のもの(Endocell-A0 クラボウ)を利用した。この内皮細胞を培養後、NO測定機(Model NO-501インターメディカル)にてNO産生量を測定した。 本研究ではNO測定用電極が非常に不安定で、電極を安定化させるためにア-スを確実にとり振動をなくすように工夫した。電極はパッチクランプに使用するマニプレータを用い安定化をはかった。また内皮細胞からのNO発生には方向性があるようで、培養シャーレの裏面に電極をおき測定した。その結果、アセチルコリン6×10^<-6>mMとアルギニン10^<-4>Mで内皮細胞を刺激しNOを発生させた。この系にリドカイン、ブプバカイン、メピバカインいずれも10^<-5>Mを添加すると濃度依存性にNOの産生抑制傾向がみられた。しかしこの産生抑制機構についての追究は現在実験系を工夫して進行中である。以上の結果は第24回日本歯科麻酔学会にて発表予定である。
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