研究概要 |
今回、低出力レーザーによる治癒促進効果のin vivoでの検討のため,ヒト正常歯肉由来線維芽細胞(Gin-1細胞)を購入、培養し,実験するに当たっての必要細胞数を確保した. また、各培養細胞に低出力レーザーを均一照射するために、レーザーチップ及び,培養プレートの照射用固定装置など実験のための周辺機器を設計,開発した. また,今年度、実験に使用するレーザー装置であるHe-Neレーザー(タカラベルモント社製,ベルビーム)の長時間使用時の出力のばらつきの有無、導光ファイバーの劣化状態などを調べ、本実験に適するよう出力の調整、不良部品の交換を行い、同時に本装置のエネルギー密度の測定を行った. そのうえで,脆弱なヒト正常歯肉由来線維芽細胞(Gin-1細胞)において耐えうるエネルギー密度の検討をするため,照射出力は一定にして(約6W)、照射時間,照射距離などの条件を変えて実験を行い,レーザー照射群と未照射群の培養細胞の形態学的、生化学的性質に変化が出ないかどうかTIMP-1、TIMP-2など指標に用いて測定を行っている. 現在、レーザー照射(エネルギー密度:5〜20J/cm^2)による形態的な変化は認めておらず、この出力による生化学的実験結果の数値に有意な差は認めていない。今後は、エネルギー密度を更に上げ、約50〜100J/cm^2程度での実験を行い、チミジンの取り込みの相違や、コラゲナーゼなど他の指標についても検討を行っていく予定である。
|