研究概要 |
低出力レーザー(He-Ne laser ; 12mW)を培養ヒト正常歯肉線維芽細胞(Gin-1 cell)に照射し以下の結果を得ている ◇^3H-thymidineの取り込みについて 細胞に対する照射エネルギーを変化させthymidineの取り込みを比較した。ジュール密度3.6J/cm^2の条件下で対照群より有意に高い取り込みを認めた。 ◇レーザー照射後の細胞数の変化について 細胞を1×10^4個に調整しD-MEMにて24時間培養した後、培養液を(1)D-MEM(2)TIMP-1&2 free-FCS(3)FCSの3種類に交換し、さらに3時間培養した後、ジュール密度3.6J/cm^2の照射条件でレーザーを照射し、照射群と対照群の24、48時間のDNA量を測定した。条件(2)の48時間後で細胞数の増加に照射群と対照群で有意差を認めた。 ◇レーザー照射によるTIMPs量の変化について 上記実験培養液中のTIMP量を測定した。TIMP-1は、ジュール密度3.6J/cm^2の照射条件でTIMP-1&2 free-FCS培養液で培養した場合、24及び48時間後で有意差を認めた.TIMP-2はごく少量で,検出限定以下であったため有意差を認めなかった。 以上よりHe-Neレーザーは、適正照射条件で培養細胞に対し、DNA合成の促進,および成長因子の一つであるTIMP-1の生成の促進効果があり、結果的に細胞の増殖を促進することが示唆された。 今後レーザーの種類(照射波長)を変更した場合の細胞に対する変化を検討する予定である.
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