研究課題/領域番号 |
07672206
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
金子 知生 北海道大学, 歯学部, 助手 (10241340)
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研究分担者 |
岡崎 恵一郎 北海道大学, 歯学部, 助手 (20271687)
佐藤 嘉晃 北海道大学, 歯学部, 助手 (00250465)
鎌田 勉 北海道大学, 歯学部, 助手 (20091431)
今井 徹 北海道大学, 歯学部, 助教授 (40160030)
中村 進治 北海道大学, 歯学部, 教授 (80001791)
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キーワード | 歯根膜感覚 / 歯根膜機械受容器 / 矯正力 / 下歯槽神経 / 三叉神経感覚核 / 触圧覚 / 免疫組織 |
研究概要 |
矯正力負荷による歯根膜機械受容器の変化に関して、神経生理学的・免疫組織学的研究を行った。平成8年度までの研究から、ネコの下顎犬歯に100gの矯正力を1日間(以下1日間実験群)および4日間(以下4日間実験群)負荷すると、歯根膜機械受容器の応答閾値、潜時、順応性の種類の割合に変化が見られ、これが免疫組織学的観察から歯根膜内神経の消失や形態学的変化によるものであることが示唆された。 本年度は矯正力負荷による生理学的変化の中で「順応性の割合の変化」について着目し、詳細な検討を加えた。電気生理学的実験で神経活動のうち、刺激に対し接続的な応答を続けるユニットを対照として解析を行った。パーソナルコンピューターを用い、各ユニットのインパルス間の時間を測定し、その逆数を「瞬間周波数」として求めた。その結果、矯正力を負荷していない群(以下、対照群)では、力刺激に対する瞬間周波数の変動が大きく、ばらつきが少なかった。一方、4日間実験群では、対照群と同じ力刺激に対して瞬間周波数の変動が小さく、ばらつきも大きかった。1日間実験群では、力刺激に対する瞬間周波数の変動が対照群と4日間実験群の中間を示し、ばらつきは大きく対照群と4日間実験群のばらつきの傾向を示していた。これらのことから、矯正力負荷により1日間実験群、4日間実験群と徐々に歯根膜内神経組織を取り巻く環境に変化を来たし、力刺激に対して適切な応答ができないユニットが増加していったことが示唆された。このことは平成8年度までに得られた応答閾の上昇、潜時の延長といった生理学的変化の裏付けとなると考えられる。
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