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1996 年度 実績報告書

骨誘導タンパク質(BMP)およびTGF-βの歯髄に与える影響

研究課題

研究課題/領域番号 07672210
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

加藤 純二  東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (80177451)

キーワードrhBMP-2 / 歯髄 / 骨様硬組織
研究概要

前年度ラット長管骨から抽出し、分画したG-WI(BMPやTGF-βを含む水不溶性の画分)をラット臼歯歯髄に置いたところ術後2〜3週で歯髄内に骨様硬組織が誘導されることがわかった。しかしこの分画のうちどのタンパクが歯髄内での硬組織形成に関与しているか不明であった。本年度はこれらTGF-βスーパーファミリーのうち歯の発生過程に深く関わり、歯髄細胞に認められるBMP-2の働きを調べるため、遺伝子工学的に作製されたリコンビナントBMP-2(rhBMP-2)をコラーゲンを担体として、ラット臼歯歯髄に置き、術後1週から3週まで組織学的に観察した。
術後1週目では歯根部歯髄内に種々な程度の炎症がみられた。すなわちrhBMP-2直下の歯髄に炎症が限局されるもの、歯根歯髄中央部まで炎症がみられるもの、さらに根尖付近まで炎症が波及しているものもみられた。しかし術後2週目になると骨様硬組織の形成が歯髄内に観察された。特に炎症が限局している場合は歯髄内にcalcified barrierの形成がみられ、炎症が激しいものでは根尖からの線維性組織の増殖およびその石灰化がみられた。術後3週目ではcalcified barrierが認められるものはさらに形成され、barrierを境に正常な歯根部歯髄が観察された。一方、炎症が激しかったものは根管内が骨様硬組織で閉塞された。
以上の結果より、rhBMP-2はTGF-βファミリーのうち歯髄内での骨様硬組織の誘導に大きく関与していることが示唆された。また歯髄内において種々な硬組織形成がみられたが、これはrhBMP-2の貼薬の量に起因するものではないかと思われた。したがって適切な量を貼付すると、貼付後における炎症が限局され、歯髄内に厚いcalcified barrierが形成され、臨床における歯髄切断法などの処置に応用可能であると考えられた。

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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