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1995 年度 実績報告書

DNAフィンガープリント法によるミュータンスレンサ球菌の歯面への定着と分布の解明

研究課題

研究課題/領域番号 07672220
研究種目

一般研究(C)

研究機関広島大学

研究代表者

香西 克之  広島大学, 歯学部・付属病院, 講師 (10178212)

キーワード齲蝕 / ミュータンスレンサ球菌 / 家族内伝播 / DNAフィンガープリント / 不溶性グルカン / 菌接触角 / 菌体疎水性 / 分子生物学
研究概要

本研究では,20家族の父母子の口腔内から分離したミュータンスレンサ球菌(MS)をDNA finger print法を用いて詳細に調べることにより,同菌の家族内伝播様式を考察し,さらに伝播に関わると考えられる,いくつかの因子について検討し,以下の結果を得た。
1.DNA finger print法を用いた家族内でのMS菌株分布
1.個人で保有する菌株の種類は1〜4種類,家族ごとに保有する菌株は2〜8種類であった。
2.被験小児の86.1%,被験家族の90%でMSの伝播に母親が関与しており,被験小児及び被験家族の半数以上で伝播に父親が関与していた。
2.MS菌株の性状と伝播の関係
1.不溶性グルカン合成能は,家族内伝播した菌株で平均85.0±4.46%,家族内伝播していない菌株で55.4±20.4%であり,家族内伝播した菌株が有意に高かった。
2.接触角は家族内伝播した菌株で平均27.9±2.2°,家族内伝播していない菌株で32.9±3.87°であり,家族内伝播した菌株が有意に疎水性が高かった。
3.血清型g型の菌株は,c型e型の菌株に対して強いバクテリオシン活性を示し,全てが家族内伝播した菌株であり,かつ個人の口腔内でも優位を占めた。
4.世代時間や菌液のpHについては菌株間での違いは認められず,菌の増殖能や酸産生能の伝播への関与はみられなかった。
以上よりミュータンスレンサ球菌の小児への伝播は,感染については,母親に限らず父親などその由来には多様性があり,定着については,不溶性グルカン合成能,菌体疎水性,バクテリオシン活性などの因子が影響を与えていることが示唆された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 中山隆介: "ミュータンスレンサ球菌の家族内での菌株分布に関する研究" 小児歯科学雑誌. 33. 405-1 (1995)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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